49962 Dampf-Geraeuschwagen
[はじめに]
2004年に発表となった新デジタルのシステムズの核となるデコーダーの1つ、ファンクション専用mfxデコーダーを搭載した蒸気機関車サウンド機能付き郵便車が手元に届き、早速試験をしましたのでファーストインプレッションを記したいと思います。

[モデルと実車]
このモデルの実車は、Ep.IIIa時代(1949-1956)の郵便専用列車やD-Zug(急行列車)等で運用されたSchuerzenwagen(スカート付き車輛)の郵便車(Post4e)です。車体色は当時の標準色であるFlaschengruen(RAL6007)地に窓下帯部分と裾(スカート)は黒色、車体番号は、4917 Ffm。
当時は、電化区間も少なかったため、牽引機関車は主に蒸気機関車やディーゼル機関車で、ドイツ国内はもとより、近隣諸国へも運用されていました。機関車のサウンドが3気筒シリンダ音なので、当時の旅客用主力機関車であったBR01形やBR03形、またBR23形、BR38形等多くの蒸気機関車の次位に連結して楽しめます。
モデルの縮尺は1/87で、フルスケールとなっており、仕上がりも満足のゆくものです。レタリングは、メルクリンらしく繊細な表現で印刷されており、ルーペで見ないと判別出来ない様な文字迄表現されています。
なお、2003年にPMS(Post Museums Shop)から発売された同時代同形式(Post4e/Ep.IIIb)の郵便車43262がありますが、車体番号4926 Ffmであり、違いを出しているところは、最近のメルクリン製品らしくファンの心をくすぐる配慮がなされていて好感の持てるところです。

[仕様]
新しいmfxデコーダーの大きな特徴である、自動呼び出し機能により、Central Station(以下CS)、及びMobile Station(以下MS)では、自動的にコントローラーに車輛の存在を知らせ、すぐに操作可能となります。
なお、Control Unit(以下CU)では、(工場出荷時)アドレス「04」を呼び出すことで、一部の機能が制御可能となります。
この車輛に内蔵されるmfxデコーダーの機能は以下の通り。
*Lx/Rx:MSでのピクトグラム位置(L:左 / R:右)

f0(funktion) / 前照灯マーク:ドア閉め音?(CUでは機能せず)
f1 / L2:蒸気シリンダ音(時々インジェクター/投炭/排炭音)
f2 / L4:機関車警笛(長音)(CUではonで鳴りoffで鳴り止む)
f3 / R1:入換用警笛(単音)
f4 / R3:警鐘(2回)

*CUによる"f1"作動時には、蒸気シリンダ音に加えブレーキ音("f8"相当)も作動。
ここまでは、CS、MSが液晶ディスプレイ上のピクトグラムで、CUはf1〜f4ボタンで機能します。

f5 / L1:警鐘(1回)
f6 / R4:警鐘(3回)
f7 / L3:空気ポンプ音
f8 / R2(ピクトグラム無し):ブレーキ音

ここまでは、CS、MSで機能。

f9:ドア閉め音
f10:蒸気排出音
f11:投炭音
f12:排炭音

ここはCSのみ機能します。
CSでは重連制御機能により、牽引機関車とコンビネーションも組め機関車の走行速度に応じた走行サウンドが1つのコントロールノブで楽しめます。
なお、MSでは機関車とコンビネーションが組めず、f2〜f7迄のみ機能するとありますが、試してみた処、f0(前照灯ボタン)〜f8迄機能します。

[MSでの操作]
私にとっての初めてのmfxデコーダーです。このモデルをレールに載せると、すぐさまMS/CSが反応し、液晶パネルに「DAMPFWAGEN」と表示されるのは、分かっていながらも気持ちの良いリアクションです。このテキストと同時に「mfx」のマークと左右にファンクションのピクトグラムが表示されます。(上画像参照)
残念な部分では、MSではピクトグラムでf1〜f8迄表示されますが、モデルの性質上、違うファンクションでも同じピクトグラム(シリンダ音とエアポンプ音や長短の警笛、警鐘1回と2回)であったり、ブレーキ音のピクトグラムが表示されない(これは、プログラムミス?)等、ピクトグラム化で混乱するのは本末転倒ではないか?という印象さえ抱く部分もあります。

[問題点と対処]
ここで問題となるのは、機関車との同期運転でしょうか。というのも、これは、サウンドシステムのない蒸気機関車の運転を補うためのものであるため、機関車の次位に連結させて運転させることを前提にしているモデルであり、各々の動きとサウンドを同期させつつ機能させなければならない訳です。
CUやMSでは、この問題が大きな壁となり、ストレスに繋がります。と言う訳で、以下に各制御機器との操作について記しますが、このモデルにはCSの重連制御が必須という結果になりました。

(Central Unit / Intellibox)
CUでは、取説にも記載されているように同じデジタルアドレスに設定する必要があります。この場合、BR18.4形機関車などの警笛/警鐘が既に設定されているモデルでは、ファンクションボタンで2種類の音が鳴ってしまうため機関車側のボリュームを0(無音)状態にする必要と機関車の速度を49962のシリンダ音テンポを合わせる必要があります。
CUにControl 80f(以下C80f)を付けた場合や、Intellibox(以下IB)では、同時に2台のデコーダーを個別に制御可能なため、49962も機能は限定されるものの、比較的楽にファンクションを機能させることが可能でしょう。しかし、シリンダ音は、一緒にコントロールノブを調整しながら運転する必要があるので操作が難しいかも?

(Mobile Station)
MSでは、更に深刻な問題が出て来ます。mfxデコーダーは、マニュアルでデジタルアドレスの変更が出来ないため、機関車側のアドレスを49962のアドレスに合わせることで同時に制御できます。また、1台のMSでは2台のデジタルデコーダーを各々制御出来ないため、2台のMSを使うことで機関車に牽引された49962の個別制御が可能になります。この場合は、もちろんMSなのでCUやIBより多くのファンクションが制御できます。

(Central Station)
CSでは、機関車と49962をコンビネーション制御出来る機能(重連制御機能)があります。そのため、重連設定することにより、1つのノブで、機関車とこのサウンド客車を同時に快適にコントロールが可能となります。もちろん、12種類のギミックがフルファンクションで制御できるメリットもCSにはあります。

以上の結果から、サウンド客車は、CSがあってはじめて機能するモデルと言っても過言ではないでしょう。

[感想]
このサウンドファンクションの主機能であるサウンドは、今迄fxデジタルに付いているサウンドとは一線を画すものとなっている印象です。というのも、シリンダ音は、基本的に今迄と同じでありながらもスピーカー部分に筒状の共振管?が加えられているためか低音が充実し、音に厚みが増した感じがします。また、途中ランダムにシリンダ音とは別のポンプ音?のような音源が再生され、より実感的になります。ただ、機関車内臓のシリンダ音ではないため、動輪の動きにシンクロされず、コントローラーの動きに反応するのは当然のことながら残念な部分ではあります。
試みたCUとControl80fの2つの接続されたコントローラー2機を使っての機関車とのシンクロ作業は、やはり簡単とは言えませんでした。特にブレーキのディレイを合わせていないと、サウンドと動輪の動きを合わせるのは至難の技といえます。
技術的なことは良くわかりませんが、車体を開けると第一印象はがらんとした感じで、とてもハイテク機能満載という実感はありません。ここには、筒状の共振管?のついたスピーカーが横向きに取り付けられ、mfxデコーダーは、基盤に下向きに取り付けられているのみです。このmfxチップ基盤は非常に単純なもので、21ピンの接続プラグにより繋がっています。mfxデコーダーは、アドレススイッチがないことも手伝って、かなり小さいもので、あれだけの機能をこれだけのチップ基盤で賄えるということ自体が驚きであり、時代の流れの速さを改めて痛感します。
逆に、「MSでの操作」、「問題点と対処」項でも指摘したように、液晶パネルの限界やMS1台での運転には、簡単には楽しめないなどストレスを感じる場面もあります。これは、操作前に充分な認識の必要性を感じました
とは言え、ここ迄のサウンドを表現出来ることができる事自体が充分に魅力的であることは間違いなく、例えば、シリンダ音を機能させコントロールノブを少しでも廻せば、最初に「シュー...」という蒸気抜き?のサウンドが鳴り、ゆっくりとコントローラーのノブ位置に合わせてシリンダ音が早くなり、更には時々スコップで石炭をくべる様な音やインジェクター?、排炭音?なども再現され、このモデルの芸達者さに思わずうっとりしてしまう程です。
注意点としては、もちろん電気機関車やディーゼル機関車に連結させて運転するのはナンセンスですが、この客車のサウンドは3シリンダ(気筒)の石炭燃料仕様ということが挙げられます。つまり、BR18.4 形などの4シリンダ機や、重油焚きのBR012 形機関車もサウンドとしてはちょっとヘンです。(もちろん趣味の世界の話ですから他人がとやかく言うこともないですが、知っていた方が良いと思います)

2005年の新製品に、やはりEp.III時代の荷物車(Pwuee)を利用したディーゼルサウンド車輛が発表されました。こちらもmfxデコーダー搭載モデルです。

いずれにしても、サウンドシステムのない蒸気機関車は、以前ではあたりまえでしたが、一度聞いてしまうとサウンド無し機関車が物足りないと思える程、インパクトの強いギミックです。
私自身を含めたサウンドシステムのない機関車を多く持つメルクリニストにとっては、これらモデルは欠かせないアイテムと言えるのではないでしょうか?

[注意]
このレポートは、エンドユーザー個人の立場で記述されたものですので、製造者、輸入商社、販売者などには一切の関係はありません。また、記述内容の保障もないことをご了承ください。

(Text: Akira

更新:15. Mar. 2006
公開:14. Feb. 2005

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