43237/43238 Schnellzugwagen-Set
"Rheingold" Ep.IIIb


Text: Akira
BR03.10 + F-Zug (Rheingold-Set) zwischen Mannheim Hbf und Basel SBB ?
[はじめに]
既に"Loreley-Express"の名前で1997年にMHIモデルのセットが市場に出ていますが、今回2005年の新製品の目玉アイテムの1つとしてEp.IIIb時代の-Zug"Rheingold"をモチーフにした1回限りの限定品の客車セット43237とその増結セット43238のモデルが市場に出ましたのでここで御紹介しましょう。
なお、PwM-Specialの"F-Zug von Maerklin/Trix"ページでもこのモデルを取り上げていますので合わせて御参照いただければと思います。



[モデルと実車]
この客車群は、戦前のDRG(Deutsche Reichsbahn Gesellschaft)時代に製造された車輌でGruppe39といわれるシリーズから成り立っています。モデルは、Ep.IIIb時代(1956-1966)のDB (Deutsche Bundesbahn)所有の1等車、1/2等合造車、2等車とDSG(Deutsche Service Gesellschaft der Bahn mbH)社所有の食堂車の4種からなり、いずれもSchuerzenwagenと呼ばれる空気抵抗を減らすためのスカートを取り付けた独特なフォルムが特徴となっています。
実車では、Schuerzenwagenとして1938年から製造され、戦後の1951年から一部の車輌がF-Zug向けに車内のリニューアルと外観塗装色の変更(FlaschengruenからStahlblau)が行われ、更に1956年の3等級制から2等級制に変更の際、形式は2度変更されました。(例:ABC4ue-39は1951年にABC4ue-39/51へ、1956年には更にAB4uee-39/51へと変更)

モデルは、食堂車が含まれた4輛と増結用2輛の2セット(画像参照)があり、モデルのディテールが異なる以外は"Loreley-Express"セットとほぼ同じ構成となっています。この"Rheingold"セットは、MHI製品ではありませんが、1回限りの限定生産となっています。
各モデルの詳細は以下のとおり。

製品番号 形式 車体標記 REV標記 備考
43237a A4uee-38/52 11 645 Ffm 8.1.57 1等個室客車
43237b AB4uee-39/52 14 501 Kar 12.2.57 1/2等合造個室客車
43237c B4uee-38/52 17 481 Kar 30.3.57 2等個室客車
43237d WR4uee-39 DSG 1180 (P) 18.12.55 食堂車
43238a AB4uee-39/52 14 541 Kar 12.2.57 1/2等合造個室客車
43238b B4uee-38/52 17 490 Kar 30.3.57 2等個室客車

以上3種5両の個室座席車のモデルは、車体色がStahlblau (RAL6011)、屋根は銀色。窓上、窓下、裾上に白帯が3本入っています。車体中央には国内路線向けのマーク"DB"文字が銀色で印刷されています。
台車は、全て"Bauart Goerlitz"です。全てのモデルの車体番号は異なる番号で印刷され、更に"Loreley-Express"のモデルとも別番号になっています。いずれの車輌も実車とモデルの整合性の確認は残念ながら出来ていません。

DSG食堂車モデルの車体色はRubinrot (RAL3003)、屋根は銀色、窓下と裾上に黄色帯が2本入っています。車体中央にDSG文字とその左右にMITROPA AG時代からのマークが黄色で印刷されています。出入口ステップにも銀色が差してあります。
台車は、"Bauart Goerlitz"の長尺タイプです。


REV標記を見ると1957年3月31日以降の運用に使用された列車のモチーフであることがわかります。1956年夏ダイヤ当時の"Rheingold"は、F9/10としてHoeck van Holland - Koeln - Mannheim - Basel SBB、F21/22として分割併合という形でDortmund - Muenchenでも運行されていました。モデルは、先に示した編成表より1年遅い時期に設定されていますが、"Rheingold"は1等車、食堂車、荷物車から組成されているため、このモデルのセットのタイトルである"Rheingold"の内容と実車編成は一致していないことが想像出来ます。

牽引機関車は、ドイツ国内がBR01.10、BR03.10、V200.0、オランダ国内では1100形、1200形などが運用されており、生産完了品も含めて全てメルクリンより製品化されています。
(より詳しく実車についてお知りになりたい方はRailways in Germanyサイトの「"Rheingold" 1951-1962」のページをどうぞ。)
V200.0 + F-Zug "Rheingold" zwischen Koeln - Venlo ?

[感想]
このモデルが発表された直後から、久しぶりのStahlblau色のフルスケールSchuerzenwagenの発売とあってドイツでも話題になりましたが、一方その話題の鉾先は車体中央に描かれた"DB"マークでもありました。そもそも"DB"マークは、国内線向けの客車に描かれており、"Rheingold"は、いつの時代もドイツでも最も有名な国際長距離列車です。(当時の写真では、"DB"マーク付きの青色Schuerzenwagenは確認済みですが、"Rheingold"や"Loreley-Express"ではなく、国内線F-Zug向けの客車として運用されていたようです)
その他にも、1956年以降のEp.IIIbである"Rheingold"は1等車、食堂車、荷物車で組成された列車のため、実車と異なります。以前発売された"Loreley-Express"との違いを出すために、車体中央のマークを変更し、製品名を"Rheingold"としただけ?との疑問の声もあるようです。

一方、細かなディテールに目をやれば、メルクリンらしい精密に印刷されたサボには、"Loreley-Express"では見られなかったような正しい印刷位置や実車に忠実な当時と同じサボの書体など、やはり年月により熟成された部分も見つけられます。更にサボには、"Rheingold"の列車名文字は印刷されておらず、メルクリンはメーカーとしても、ユーザーが色々な列車として楽しめる様な配慮を示してくれたのかも?という気さえしてきました。("Loreley-Express"のサボにも列車名が印刷されていません。)
史実として正しいかどうかは不明ですが、サボに表記されている行き先が、"Basel SBB"(スイス内Basel駅)ではなく、"Basel Bad Bf"(ドイツ内Basel駅)となっていることも少し気に掛かっています。1956年当時は、既に"Basel SBB - Basel Bad Bf"は、ドイツの機関車が直通しています。どのような経緯でこのような印刷になったのかはわかりませんが、興味深い部分ではあります。

食堂車に目をやると、相変わらず鮮やかな赤色とフルスケールの美しい車体プロポーションが目を見張ります。史実では、"Reingold"の食堂車はこのセットの食堂車ではなく、Ep.II時代から"Rheingold-Express"として運用に就いて来たSA(B)4uek-28等のMITROPA社所有のプルマン客車を戦後食堂車として改造されたWRue(e)/DSGが使われていたようですが、実車にこだわるのならば、"Glueckauf"/"Domspatz"セットの食堂車を利用出来ます。
メルクリンで製品化されたEp.IIIb時代のSchuerzenwagen食堂車は現在3種あり、全ての車体番号が違う所が最近のメルクリン社製品の常として好印象が持てる部分です。そう言った意味では、これらの3種が117911801181と連番であるのも偶然ではないかも知れません。各々が、屋根上のディテールや貫通幌、印刷等に若干の違いを見せており、これを比較出来るのも楽しいものです。更には、2005年にTRIXから発売されたT23336 1173 DSG食堂車もリリースされているので合計4種あると言えましょう。このモデルについては、IIIa末期からIIIbに掛けての時代設定であることから、車体番号とDC車輪を除けば、このセットの仕様と塗装色から細部(なんとREV表記の検査日も!)に至る迄全く同じであるのでメルクリンファンがTRIXモデルの購入も視野に入れていることは間違いないでしょう。(もちろんTRIXモデルのDC車輪は容易にAC車輪に交換可能)

編成については、史実通り忠実に当時の"Rheingold"を組成するには、前にも述べたように車体表記の問題を始め1等車のモデルが足らないこと、食堂車、荷物車の問題など多々あり、難しいと言えます。しかし、1等車は"Loreley-Express"のモデルを使用したり、食堂車は前述したように"Glueckauf"/"Domspatz"セットから流用、また荷物車についてはTRIXのT23337を利用することで、不可能ではないでしょう。牽引機関車については、前述したように西ドイツのBR01.10形、BR03.10形、V200.0形、オランダの1100形、1200形などほぼ全て揃っています。

いずれにしても、"Loreley-Express"と"Rheingold"のセット両方比較してみると、色々な歴史も垣間見れて新たな発見もできます。編成としては史実に反していても、美しい列車には変わりありませんし、タイトルとモデルを別に考えて両方の列車セットのモデルを組み換えながら組成させるのも楽しいでしょう。個人的には購入して後悔のなかった列車セットと断言出来ます。

実車に忠実な書体と位置に掲げられた行き先表示板(サボ)
同形式新旧2種のSchuerzenwagen食堂車では屋根の歩み板の色や煙突の有無など違いが見られます。
奥が43209 "Loreley-Express"-Set、手前が43237 "Rheingold"-Setの食堂車モデル
[最後に]
まだ、モデルの実車について不明な点が多々あり、書き留められなかったことが残念ですが、これら不明な点が明らかになり次第ここに書き加え更新をしております。もし、ここの記述について御意見も含めて詳細を御存じの方は是非筆者まで御一報いただければありがたいです。

[注意]
このレポートは、エンドユーザー個人の立場で記述されたものですので、製造者、輸入商社、販売者などには一切の関係はありません。また、記述内容の保障もないことをご了承ください。

[参考文献]
Die F-Zuege der Deutschen Bundesbahn: http://www.heinrich-hanke.de/
DSG Speisewagen und H0-Nachbildungen: http://www.speisewagen.net/
"Rheingold 1951-1962" / Railways in Germany: http://www.asahi-net.or.jp/~ny8h-ky/

(Text: Akira

公開:13.May.2005
更新:30
.Oct.2005

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