[モデルと実車]
この機関車は、一般のE10形機関車を最高速度160Km/hに引き上げた当時の長距離優等列車F-Zug向けに開発された機関車です。
当時、Rheingold/Rhienpfeilが最高速度160Km/h仕様の新しい客車の完成を急ぎ、1962年に完成投入されました。しかし、同時に計画されていたこの機関車の完成が間に合わず、やむなく一般形のE10形機関車の歯車比を変更してE10.12形(E10 1239-1244)として運用された経緯があります。その後、この機関車も完成し、改造された一般形のE10.12形と共に同じ形式名を名乗ってE10.12形(E10 1265-1273)として運用につきました。
その後、このE10.3形が完成し、(Rheingold/Rheinpfeil)F-Zug用に投入され、晴れて運用につきました。同形2機のE10.3形が最高速試験に挑み、2機共に時速200Km/hオーバーを記録しました。
Rheingold/Rheinpfeil向けのE10.12形とは塗装以外にも前面手摺や前面ステップの有無などがありますが、特徴的な前面のスカート形状や一体型エアフィルターカバーなどは共通しており流麗で美しい姿です。
1968年のUIC規格番号化によりE10形から112形を経て114形、また113形ともなり、現在では一体型エアフィルターカバーやスカートが外され、優等列車の運用からも外されていますが、一部は元気に現役を守っており、独特のBuehgelfaltenの姿で活躍しています。
実車の詳細は、RiGサイトの
同機についての記述を御覧ください。
モデルは、原形のE10.3の姿を再現しています。全体が金属製で、屋根、ボディ、台枠下回りと3色で塗装されています。屋根は、Alminium、ボディはKobaltblau、台枠下回りはTiefschwarzで適度に艶を落としています。また、パンタグラフは最近の電気機関車同様赤色塗装です。
最初に、このモデルを手にした時、小振りなモデルであるにも関わらず、かなりの重量感を感じました。さすが全金属製と感心しながらボディを外すと、台車とスピーカー付き制御基盤とモーター及びギアユニットだけになります。以前の様に台枠部分とボディが分割する方法ではありません。ちょっと驚いたのは、金属製のボディカバーです。裏側から見ると今迄になく肉厚が薄く、重さも金属製とは思えない(樹脂製と見間違える?)程の薄さと軽さです。しかし、モーターユニットは全体が金属で覆われており、その分充分な重さがあり、トータルでは重い機関車と判断出来ます。ボディには運転室が別パーツで取り付けられており、驚く程のディテールです。運転室のハンドル形マスコンまで別パーツ(しかも実車同様黒色!)であまりの出来の良さに、運転手の人形を載せたり、金属製120.0形モデルの運転室照明が欲しいくらいです。
ボディには、別パーツで各種ジャンパ栓やスクリュー式連結器、スカートの一部などが同梱されていますが、ボディサイドのブレーキ栓?以外は、カプラーを外さなければ取り付けられません。画像ではブレーキ栓?のみ取り付けて撮影しています。
モーターは小型Cサインモーターが両軸に繋がっており、全軸駆動となっています。心配していた低速域での走行は、旧型Cサインモーターやc90デコーダーで制御する従来型の直流モーター、またMAXXON社などのモーターに比べるとまだ劣る部分がありますが、だからと言ってドタバタする走りでもなく、許容範囲と言えます。これは、モーターの制御にもう少し熟成が必要であるからかも知れません。時が解決するものであれば良いと思います。
デジタルデコーダーは、もうお馴染みのmfxで、サウンドなし仕様です。しかしながら別にサウンド回路が設けられており、警笛と駅の構内アナウンスを聞くことができます。逆に言えば、それだけのサウンドに対して、チャンバー付き2連装のスピーカーがおごられており、ちょっと贅沢?かとも思います。スピーカーは下に向いて取り付けられており、ちょうど台車とボディの隙間から音が出るように配置され、中々上手なレイアウトと感心しました。他には、LEDの前照灯/尾灯(f0)、漸次加減速(f4)があります。Central Stationのエディット機能で、入換用速度調整機能を付加することが出来ます(カメマーク)。
台車のカバーを外してみると、今迄のメルクリンモデルとはちょっと違う印象を持つギア配置でした。これが両方の台車に付けられているため、牽引力は充分ではないかと考えられます。また、全軸駆動のためか、ゴム製のトラクションタイヤは、両台車内側に1車輪づつ左右に分けて取り付けられています。
さて、問題点ですが、心配した走り装置は及第点だと思います。しかし、全く心配していなかった部分に大きな問題を見つけました。これは、理解していれば問題ないでしょうが、今回初めてボディと台枠を外す際にネジの場所を見つけることに苦労しました。ネジは台車を通してその奥にあり、それを外すことでボディも外れますが、台車の影でほとんど見えません。よって初めての場合、私の様に別のネジを外してしまったり、ネジ位置を特定出来ないトラブルに見回れる可能性があります。メルクリン製品の今迄のイメージでは、簡単に分解出来るイメージが強かっただけに、この変化は驚きに値しました。また、ネジを外せてもボディを外したり取付けたりする際に、台車の間にある樹脂製の機器パーツを壊してしまう可能性があります。同時に前頭部分のスカートは薄い樹脂パーツで出来ており、ここを持ってボディを外したりするのも危険です。このあたりは特に慎重に作業をする必要がありますので、御注意ください。