[モデルと実車]
このHWZの実車は、1936年からBerlin-Anhalter Bf. - Dresden Hbfを運行したBR61形蒸気機関車と4両の専用客車で組成された列車で、いずれも戦前のDRG(Deutsche Reichsbahn Gesellschaft)車籍のものです。
このセットに同梱されているBR61 001蒸気機関車は、この列車のためにHenschel社で設計/製造された流線形カバーを纏った2C2タイプ車軸配置のテンダー内蔵型機関車です。また、このBR61形に牽引される客車は、同じく前後部が流線形になった客車4両でWegmann社の設計/製造です。このため、この列車はHenschel-Wegmann-Zugと呼ばれました。BR61形機関車には、数多くの新しい試みが施され、その1つはSchafenberg-Kupplungと言われる密着式連結器の採用で、現在でも固定編成の列車に使われている連結器です。その他、暖房/空調システムや最新のブレーキシステムなども採用され当時のハイテク満載の列車でした。また、この列車はBerlin - Hamburgを結ぶ"Fliegende Hamburger"の俊足に負けない高速列車を目指していたため、スカート付き流線形ボディや全断面幌などの徹底した空気抵抗低減のための装備を誇る一方で、機関車/客車双方に軽量化構造が取り入れられました。機関車の動輪は3軸で直径2300mm。これら努力の結果、試運転では最高速度175km/hを記録しました。また、営業運転では、全長179,9KmのBerlin - DresdenをD-Zugとして、最高速度160Km/h、平均速度106Km/h、所要時間約100 分で結びました。当時、この区間を01形や03形を使った旅客列車の最速運転でもこのHWZの運転時間には遠く及びませんでした。その後、1939年には、BR61 002が登場しましたが、軸配値が異なり、2C3となりました。その他、002号機はヘッドライトの小型化や、除煙版の取り付けなど細かな点で001号機とは異なった形状となっています。
客車は、専用の展望室付き食堂/荷物/郵便合造客車(SWRPwPost4ue-35)、2/3等合造客車(SBC4ue-35)x2、展望室付き2/3等車(SBC4ue-35)の3種4両の固定編成で組成され、1939年には1両の展望室付きSBC4ue-35が追加製造されました。客室は全て6人用個室で、中央に2等車2室(中間客車)または4室(展望室付き客車)と両サイドに3等車を持っています。エクステリアはいずれの車輌もSchuerzenと呼ばれる空気抵抗を減らすためのスカートと全断面幌を取り付けた列車全体が一体となった独特なフォルムが特徴となっています。
この列車は、Ep.IIの3等級制時代で不思議なことに1等車はなく2/3等級での組成ですが、この車輌の2等車は1等と変わらない設備と記されています。
この列車の公式デビューは、1935年3月31日メーカーから引き渡された後、営業運転の始まる前の同年7月14日から10月13日に渡ってNuernbergで行われたドイツ鉄道開業100周年記念行事の時でした。
営業運転中は、MITROPA社による食堂運営とサービスがおこなわれていました。
戦後、このHWZは西ドイツにおりましたが、BR61形は1951年の事故により廃車。客車はF-Zug "Brauer Enzian"向け客車として改造されながらも生き延び、現在は
展望車などが動態保存されドイツ各地の蒸気列車などで活躍しています。
この列車自体は少数の生産で終わった孤高の存在と言えるかも知れませんが、前述したように数々の新しい技術を採用しており、それらの多くは、現在迄繋がる普遍的なものとなっていることからも、完成度の高い列車だったと言えましょう。また機能から来る流麗なフォルムは現在に至っても色褪せていません。それは、日本を初めとする諸外国の鉄道車輌にもこの列車の影響が多く確認出来るからです。
モデルは、Ep.II時代のDRG (Deutsche Reichsbahn Gesellschaft)車籍の全金属製BR61 001蒸気機関車、及び樹脂製の客車は実車に忠実に再現されています。
BR61形機関車は、サウンド付きmfxデコーダー、新型Cサインモーターが装備されています。mfxデコーダーには、おそらくモーター制御用であろう基盤が別に付き、またサウンド用スピーカーは2連装タイプのものが装備されています。集電シューは、メルクリンで初めての静音タイプのものが取り付けられており、M式レール走行用に一般のタイプの集電シューが添付されています。発煙装置はありません。戦前DRG時代の機関車は前照灯2灯でしたが、高速運転対応?向けに05形機関車同様上部にヘッドライトが付いており、デジタルファンクション操作で前照灯とは別に点灯/消灯が可能です。
客車は樹脂製ですが、実車に忠実にモデル化されており、車内装備付きです。この客車が固定編成であるため、車体妻部分には全断面幌が表現されています。R=360mmカーブを走行できるように台車部分のスカートに切れ目があり、台車とは別に連動して回転する仕組みになっています。車内照明の準備がされ、尾灯の点灯はしません。
機関車客車共、密着式連結器がダミーで表現され、その下にクローズカプラーが装着されています。
もちろんインサイダーモデルのため、事前予約を受けた会員向けに1回限りの限定生産となっています。
各モデルの詳細は以下のとおり。
| 製品番号 |
形式 |
車体標記 |
REV標記 |
備考 |
| 26610a |
BR61 |
61 001 |
|
機関車 |
| 26610b |
SWRPwPost4ue-35 |
10 401 |
30.3.36 |
展望室付き食堂/荷物/郵便合造客車 |
| 26610c |
SBC4ue-35 |
10 402 |
30.3.36 |
2/3等合造個室客車 |
| 26610d |
SBC4ue-35 |
10 403 |
30.3.36 |
2/3等合造個室客車 |
| 26610e |
SBC4ue-35 |
10 404 |
30.3.36 |
展望室付き2/3等合造個室客車 |
以上4種5両のモデルは、車体色が紫とクリームのツートン、屋根と裾(スカート)部分がシルバーです。
客車の台車は、"Bauart Goerlitz III Leicht"です。
[デジタルファンクションの仕様]
mfxデコーダーの大きな特徴である、自動呼び出し機能により、Central Station(以下CS)、及びMobile Station(以下MS)では、自動的にコントローラーに車輛の存在を知らせ、すぐに操作可能となります。
なお、Control Unit(以下CU)では、(工場出荷時)アドレス「61」を呼び出すことで、一部の機能が制御可能となります。
この車輛に内蔵されるmfxデコーダーの機能は以下の通り。
--- Control Unit / Mobile Station / Central Station ---
f0(funktion) / 前照灯マーク:前照灯(下部2灯)
f1 / ピクトグラム:ヘッドライト(上部1灯)
f2 / ピクトグラム:蒸気シリンダ走行音
f3 / ピクトグラム:警笛
f4 / ピクトグラム:入換走行(通常の半分の速度)
--- Mobile Station / Central Station ---
f5 / ピクトグラム:炭投音
f6 / ピクトグラム:エアポンプ音
f7 / ピクトグラム:ブレーキ音のoff
f8 / ピクトグラム:インジェクタ−音
--- Central Station ---
f9 / ピクトグラム:蒸気排出音
f10 / ピクトグラム:廃炭排出音